siensurukai2008-10-05

先日、どうなん・追分シーニックバイウェイルート運営代表者会議の参加団体であり、
故奥平先生が立ち上げたNPO法人奥様である、奥平洋子様からの謹呈ということで、
どうなん「学び」サポートセンターの佐藤事務局長から、奥平忠志著「マイ・ウェイ
を頂きました。

支援する会への謹呈と考え、また、書店で販売されていないものの、この本に込められ
た思いを伝えることが、故奥平先生の無念の死に報いるものと考え、ここに、本に添え
られていた、奥様と、NPO法人副理事長の言葉を紹介させて頂きます

謹呈


昨年、夫奥平忠志がトルコにおける大けがに因り死去してからこの8月で1周忌を
迎えました。時の経つのは早きことと申しますが、この間、多くの皆さんから私共
家族にいただいたご厚情に心から御礼を申し上げます。

 夫奥平は経済地理学者の集大成として「学び」を中心とするNPO法人を立ち上
げ、皆様のお力をいただきながら活動をしておりましたが、生前、もうひとつのこ
とを大変気に掛けておりました。
 今般、この1周忌を機に、この夫の意志を継ぎ、関係者の皆さんのご協力を頂き
ながら、夫奥平が北海道新聞や各機関誌等に投稿してきたコラムを「マイ・ウェイ
と題した書籍に纏めることができましたので、ここに、夫奥平が生前皆様にお伝え
したかったことに触れ、亡き夫を偲んで頂ければ幸いに存じます。
                                 謹白

平成20年8月
                             奥平 洋子

奥平忠志著「マイ・ウェイ」の恵与ついて

  NPO法人どうなん・「学び」サポートセンター
                      副理事長 米田 義昭

 当NPO法人の設立者で前理事長の奥平先生がご逝去されてから、早や1年が
経過されました。
 今般、ご遺族と関係者の手により、「マイ・ウェイ」が出版の運びとなり、此
の度ご遺族より当NPOに対してご恵与頂きましたので理事等の皆様に進呈させ
ていただきます。
 この、「マイ・ウェイ」は、奥平先生が地理学者らしく、時には地底深く潜り
込むような奥深い視点から、また、時には大平原に立ち360度を見渡すような
視点で、そして、ある時は上空から地上を俯瞰するが如く、実に幅広い奥平先生
のものの見方や考え方が掲載されております。
 混迷が今尚続く今日、私達に求められているものは、「教養力」であると云わ
れておりますが、ここに掲載されている奥平先生の各コラムは、生成の豊かなる
先見性と見識に富んだものが多く、我々に色々な示唆を与えてくれるものです。
 我々の道標として、是非ご愛読下さい。
                                以上

この本は市販されていませんが、アイワードのHPで金額等が紹介されています
   株式会社 アイワード

 マイ・ウェイ 奥平忠志

  • 道南を愛し、自分を信じて疾走した ひげの名伯楽 -

著者: 萩本 和之 編
規格: 四六判
ページ数: 352
ISBN: 978-4-901644-99-0
Cコード: C0095
定価: ¥1,890 (税込みの価格となります)
発行日: 2008年 8月 24日
内容: 道新マイブック。2007年トルコで不慮の事故で逝去した北海道教育大学名誉教授(函館校)。生前の希望だった北海道新聞掲載のコラムや雑誌掲載の論文、実兄である東京大学名誉教授、奥平康弘さんが想い出を綴った小文などをまとめた遺作集・追悼集です。
発行元: 奥平 洋子
062-0041 札幌市豊平区福住1条4丁目10-2

 この本のなかで、NPO法人の佐藤事務局長から、平成17年18年に檜山支庁渡島支庁が手を結び、支庁や町の枠を越え、民間と行政の広域的な連携を図りながら、連携の基礎となるインフラの整備効果等を最大限に引き出し、道南圏の活性化を図ることを目的として、地域づくり交流連携フォーラムを設置して、策定したアクションプランの冒頭に、ご意見番ファシリテーターとして奥平先生が寄せた言葉を抜粋し、最後にトルコに旅立つ前のメッセージとして紹介してます

NPO法人どうなん「学び」サポートセンター理事長
地域づくり交流連携フォーラム・ファシリテーター

地域づくり交流連携フォーラムが活動を開始してから早くも2年が経過しま
した。「月日は百代の過客にして」の芭蕉の言葉が思い出されます。過ぎ去っ
た日々は早かったというだけで終わらなかったのが、このたびのフォーラムの
大きな成果であったと思っています。はじめは着地点を見出すどころか、空中
乱舞の状態でしたが、後半の1年間は着陸地点(プラットフォーム)をはっきり
確認し、軟着陸に成功しました。
 一般的には個々の市町村はそれぞれの自然的な背景、歴史的・文化的背景が
異なるだけに対峙する関係であったり、地域エゴイズム(自分の町が、自分の
町が)という意識が強く、連携を阻む大きな壁となってきました。ヨーロッパ
連合がその良い事例で、今日のようなEUが成立するまでは大変な時間と労力
が使われてきました。このたびの檜山南部4町と渡島西部4町の壁も厚いもの
だと思います。それを徐々に崩すことがこれからの組織の活動にあるといえま
す。ベルリンの壁は簡単に崩せましたが、今はどうでしょう。国内での失業問
題、外国人労働者の排除問題等々簡単に東西の心の壁は崩されてはいなかった
のです。スローでも歩き始めることが大切です。
 どんな小さなことでもよいですから、連携交流の事業を展開してみましょ
う。おそらく当初は反省する素材が多く、実りが少ないことを実感するでしょ
うが、反省する事項はバネにして下さい。昨年も書きましたが、いつもこの類
の報告書や結論が出ても、そのまま放置されることが多く、何のために議論を
したのか、もう止めよう等敗北感に襲われるケースが多いのが実情です。「石
橋を叩いて渡らない」ではなく、石橋を築く時にしっかりとした構造計算をし
ておけば、「石橋をゆっくりでも堂々と渡ろう」が可能になります。このたびの
フォーラムでは強固な組織づくりに向けての検討が開始される準備段階の組織
をつくろう、その手段として「シーニックバイウェイ」の代表者会議立ち上げの
準備会を結成しようという点で一致しました。
 私の所属する『どうなん「学び」サポートセンター』もこの準備会に参加し
ます。地域づくり交流連携フォーラムの8町は、北海道和人発祥の地ともいう
べき地域です。誇りをもつとともに、その誇りが実の伴ったものであることが
実証される機会が、このたびの成果を行動をもって示すことであると考えま
す。最後に8人の委員の皆さん、檜山・渡島両支庁の全力投球をしてくれた職
員の皆さん、また8町の地域振興・観光に係ってきた職員の皆さんに敬意を表
するとともにそのご苦労に感謝申し上げます。